研究概要 |
くちなしから分離したカロテノイドとほかのカロテノイドとの生理活性の比較を行った。まずメチレンブルーを光照射することによって生成した一重項酸素への影響を調べた。0.0186μMの力ロテノイドを2mlのベンゼン:メタノール(4:1,v:v)に溶かして,1mlのイソプロパノールと0.1888μMのメチレンブルーを加え,アンバーフィルターを通し,分光光度計で吸光度を記録した。最初の吸光度と5分後の吸光度との差によって各カロテノイドの一重項酸素の消去力を調べた。その程度はルテイン>リコペン>β-カロテン>クロセチン>ビオラキサンチン>ネオキサンチンであった。 つぎに,フリーラジカルへの影響を調べた。0.186μMのカロテノイドを1mlのクロルベンゼンに溶かし,基質としてテトラリン1mlを加え,0.362MのAIBN(アゾイソブチルニトリル)クロルベンゼン溶液250μlを加えることによって自動酸化を促進させた。30℃ではすべてのカロテノイドでテトラリンの自動酸化を抑制することは出来なかった。しかし,60℃では自動酸化を抑制出来た。その強さはリコペン>β-カロテン>ネオキサンチン>クロセチン>ルテイン>ビオラキサンチンであった。 以上の2種類の実験より,くちなしカロテノイドのクロセチンにも抗酸化力が存在することがわかった。しかしその強さはβ-カロテンより強いことはなかった。これらの結果は投稿準備中である。
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