(1)本研究課題に関する基礎的な関連文献・資料の調査をおこない、それらの収集・整理を一定おこなうことができた。 (2)本研究課題に関わる基本的な先行研究の概要を調べ、本研究課題を究明するための研究構想・見通し、また個別的な研究課題について具体的に分析するすることができた。 (3)本研究課題の初年度の研究・調査として、以下の成果を得ることができた。 イ.アメリカにおける原子物理学分野の科学研究と産業技術の結びつきについて、1910年代から20年代にかけてのGE研究所におけるX線管の開発の実際、ならびに「コンプトン効果」の発見を導いたX線散乱の科学研究の展開、また両者の関連性について明らかにすることができた。 ロ.ドイツの原子物理学的研究については、「ドイツ物理学」の主導者シュタルクの実験観・物理学観、ならびに国立物理工学研究所のパッシェンらの実験的研究についての新しい知見を得ることができた。 ハ.原子物理学的研究を工学面・技術面で支えたエレクトロニクス技術、あるいは高周波技術の進展に関わる知見、ならびにこれらの研究・開発に関与した研究者の研究環境・実状についての情報を、日本を中心に調査、研究することができた。
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