研究課題/領域番号 |
08680088
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
伊藤 朗 筑波大学, 体育科学系, 教授 (80056639)
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研究分担者 |
三上 俊夫 日本医科大学, 保健体育教室, 講師 (60199966)
田崎 洋佑 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (30114101)
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キーワード | 激運動 / 抗酸化物質;抗酸化作用 / 過酸化脂質 / 尿酸 / アラントイン / potassium oxonate / ビタミンC |
研究概要 |
本年度は、疲労困憊に至るような激運動を行った際、過酸化脂質の産生に、抗酸化物質がどのような影響を及ぼすかを目的とした。 実験1は、抗酸化物質として尿酸に着目した。ラットのウリカーゼ活性をpotassinm oxonateの腹腔内投与(運動開始1時間前)によって阻害させ、一時的な高尿酸血症モデルラットを作成した。そこでトレッドミルによる疲労困憊に至るまでの漸増負荷運動を実施し、激運動時における肝組織中での尿酸の抗酸化作用を検討した。過酸化脂質の産生は、対照と比して、有意に低下した。また、尿酸の産生には有意な差はなかったものの、産生されないはずのアラントインの上昇が検出された。これらのことから、激運動時における尿酸のさらなる上昇が、抗酸化防御機構のひとつとして働くことが証明された。 実験2は、抗酸化物質としてビタミンC、および抗酸化物質を含むヨモギ(Artemisia)抽出物を、マウスに経口投与(運動開始1時間前、直前、直後)して、トレッドミルによる疲労困憊に至るまでの運動を実施した。対照には水投与群を配した。結果として、血漿および組織中での過酸化脂質に有意な差は認められなかった。このことは、激運動時において短期的な投与ではその効果は見られ難く、長期的な投与での検討が必要であることが予想された。 今後の展開としては、ビタミンCやE、β-カロチンなど抗酸化物質の蓄積(飽和あるいは欠乏)の効果による、運動時の影響をさらに検討し、抗酸化物質摂取のあり方を考察していく予定である。
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