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1997 年度 実績報告書

運動時の活性酸素の生成を予防できる運動処方

研究課題

研究課題/領域番号 08680088
研究機関筑波大学

研究代表者

伊藤 朗  筑波大学, 体育科学系, 教授 (80056639)

研究分担者 三上 俊夫  日本医科大学, 保健体育教室, 講師 (60199966)
田崎 洋佑  筑波大学, 体育科学系, 助教授 (30114101)
キーワードビタミンC欠乏 / 水溶性ラジカル / TRAP / 運動負荷
研究概要

[方法]実験動物には遺伝的にビタミンCの合成能を有さない8週令の雄のODSラットを用いた。これらをビタミンC欠乏群(VC欠群)と対照群の2群に無作為に分け、両群とも1週間の標準飼料飼育の後、ビタミンC欠乏食(VC欠食)にて5間飼育した。この間、対照群には1mg/mL濃度のビタミンC水を飲料水として与え、VC群には蒸留水を与えた。VC欠食飼育の5日目にラットを代謝ゲージに移し、24時間尿を採取すると共に血液を採取した。一方、これらの10日間の飼育期間中、ラットを小動物用トレッドミルで毎日軽く走らせ(速度20m/分、時間10分/日)、トレッドミル走に慣らた。11日目にラットを疲労困憊に至らしめる速度漸増法によるトレッドミル走を負荷した。組織サンプルの採取は、運動負荷前と運動1時間後にラットを断頭により屠殺して肝臓、ヒフク筋を採取した。
[結果・考察]VC欠食飼育によりVC欠群ラットの血漿ビタミンC値は有意に減少し、水溶性ラジカルの消去能力を表す血漿Total Radical Trapping Activity(TRAP)も対照群の約50%に減少した。また、VC欠食飼育5日目に調べた24時間尿中への過酸化脂質(TBARS)排泄量はVC欠群が有意に高い値を示した。しかし、肝臓ホモジネイトより得た細胞質分画のTRAP値は両群で有意差は認められなかった。運動負荷後の血漿TBARS値には両群で有意な差が認められなかったが、血漿より抽出したLDL分画のLDL-DC値はVC欠群が有意に高い値を示した。しかし、肝臓・ヒフク筋中のTBARS量には有意差は認められなかった。
これらの結果より、ビタミンC摂取の低下は水溶性ラジカルに対する消去能力の低下を引き起こし、運動負荷の様な強いストレス刺激が生体に負荷された時に過酸化脂質生成の増加を引き起こしやすいことが示唆された。したがって、激しい運動トレーニングを行う競技スポーツ選手ではビタミンCの消費量も増加し、積極的にビタミンCを摂取することの重要性が改めて認識された。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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