研究課題/領域番号 |
08680106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
植屋 清見 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (70016541)
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研究分担者 |
中村 和彦 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (80217835)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 日本スポーツ少年団 / 完全学校5日制 / 親(育成母集団) / 学校の教師 / 少年スポーツ / 少年スポーツ指導者 / 日本スポーツ少年団本部役員 / 生活構造 |
研究概要 |
本研究の目的は、「学校完全五日制」の実施において、その受け皿となり得る諸条件を1)スポーツ少年団の団員、2)その親(育成母集団)、3)スポーツ少年団指導者、4)学校の教師、5)日本スポーツ少年団本部役員を対象とし実態調査を行い、児童・生徒にとって望ましい学校完全5日制の迎え方を検討することであった。 2年間におよぶ研究から以下のような結果並びに結論が得られた。 まず、大前提として、日本スポーツ少年団は「地域における」「スポーツを通しての」「青少年健全育成」をモット-に昭和37年に日本体育協会内に設立され、本年度現在全国各地におよそ100万人団員を抱えるわが国最大の青少年育成団体となっている団体である。学校完全5日制度の実施は既に決定された事実であり、このことに関しては団員も、親、指導者、学校の教師全てが事実は事実として受け止めている。但し、親の中に親不在での休日の在り方を心配する回答も多かった。学校完全5日制でのスポーツ少年団活動は、基本的にはその休日となる土曜日及び日曜日をスポーツ少年団活動とする考え方はなかった。つまり、土曜日にその活動を行うとすれば、日曜日には団員(児童・生徒)は家庭に返すという考え方である。 受け皿としてのスポーツ少年団の組織や活動の在り方としては、受け皿を大きくすべく、その活動を従来のような単一種ポ-ツ種目として捉えるのではなく、シ-ズン性を取り入れたり、年齢幅を拡大して、複数種目を実施する複合型スポーツ少年団への移行、女性もスポーツに親しませるとの考えに基づく女性指導者の養成、確保、更にはスポーツ少年団の設立から一貫して目標にしてきたドイツの「市民スポーツクラブ」型のスポーツ組織の整備等が総合的な対応策として出てきた。子どもの生活構造は依然として、朝一人で起きられない子ども、学校が楽しくないとする実態、放課後は遊ぶ余裕もなく家庭教師や塾通いでの勉強、他人との関わりを良しとしないものの考え方、いじめの加害者や被害者を同時に体験している実態などが明白にされた。親が我が子に身につけてもらいたい希望としては体力、思いやり、自立心、忍耐力等であった。これらはいずれもスポーツ少年団がスポーツを通して青少年に望む、スポーツ少年団の理念と合致するもので、そういう意味では学校完全5日制になった状況で日本スポーツ少年団は児童・生徒の受け皿になり得る条件を基本的に兼ね備えた団体であると指摘できる。勿論、それぞれの地域、市区町村でのスポーツ施設や指導員の養成、確保といった今後の課題が残っているのも事実である。
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