|
トレーニング中の心拍数を腕時計式表示装置に示したり、スイム後の心拍数をモニタリングするシステムは現存する。しかし、水泳の運動環境および運動形態の特殊性から選手自身が心拍数を水泳中に確認できない。従って、遠隔計測器でコーチがこれを把握する必要がある。心拍や泳ぎの情報を日常的な競泳トレーニングのコーチングに反映するためには、データの収集、分析、提示できるコンピュータ支援システムが不可欠である。
そこで心拍情報をプールサイドのパソコンへ無線送信することにより水泳中の心拍変動をコーチに提示するシステムを開発することを目的とした。また、コーチングを支援するために泳ぎの情報も同様に提示した。
水泳中の心拍数はハートレイトセンサーPOLAR Vantage NVで計測した。このセンサー出力をV-FM変換した後、アナログ送信した。プールサイドに10m間隔でアンテナをたてブ-スターで増幅後、受信機に取り込んだ。当初、遠隔計測器からのデータ集録はAD変換器DAQ Card-500を介し、LabViewでモニタリングソフトを作成した。しかし、実用性を考慮し、より一般的なデータ入出力、モニタリング環境を実現するために、受信機からのアナログ音声出力波形を矩形波に加工し、RS232Cを介しパソコンでVisual Basicを用い信号入力タイミングを計測した。
モニタリングソフトは、1/100秒計、リアルタイム心拍数表示、リアルタイム・ストローク頻度表示、途中時間及び心拍数リスト表示、データ保存機能を盛り込んだ。さらに、心拍の変動をリアルタイムにグラフィカル表示し、必要に応じて波形の履歴を呼び出せるように工夫した。
コンピュータ支援による競泳のコーチング・システム(CSSSC)が今後普及すれば、トレーニング強度の設定、管理が効果的に行われるものと思われる。
|
