研究課題/領域番号 |
08680126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大柿 哲朗 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (20101470)
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研究分担者 |
藤野 武彦 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (20108773)
斉藤 篤司 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (90195975)
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キーワード | 抱合型カテコラミン / 遊離型カテコラミン / ノルアドレナリン / 運動 / 体温 / 代謝 / 環境温 |
研究概要 |
【目的】本研究の目的は、遊離型カテコラミンの抱合化のタイミングや抱合される量の検討、運動あるいはカテコラミン注入による血中の遊離型カテコラミンの増加がどの程度代謝の高進に影響するかを検討することであった。本研究は2年間にわたって、1)運動負荷実験、2)カテコラミン注入実験を実施する予定であるが、平成8年度は、運動負荷実験を実施した。 【研究方法の概要】被験者は、大学の陸上競技部長距離部門に所属する男子8名(年齢:20【plus-minus】1才、最大酸素摂取量:67.8【plus-minus】5.0ml/kg/min、体脂肪率:11.0【plus-minus】1.2%)であった。これらの被験者が25℃の一定温度条件下と25℃から温度を漸減させる条件下において、65%VO_2max強度で1時間の自転車エルゴメータ運動を行い、その後1時間の安静を保った。運動前、運動中10分毎、運動後30分および60分目に採血し、遊離型および抱合型のカテコラミンを測定した。また運動中は連続的に呼気ガス、心拍数、直腸温等を測定した 【結果の概要】直腸温は漸減温度条件下ではほぼ一定であったが、25℃環境下では漸増した。運動中に遊離型カテコラミンは上昇し続けたが、運動後30分目には運動前値に低下した。一方、抱合型は運動10分目に一旦減少し、その後上昇し、運動後1時間目に最高値に達した。運動に伴う遊離型および抱合型カテコラミンも25℃環境下の方が漸減温度条件下より高かった。 【結論および今後の検討内容】抱合型カテコラミンは、遊離型の貯蔵形であり必要に応じて運動中に遊離型に活性化されること、また運動中にもカテコラミンの抱合化が起こっている可能性が高いことが明らかとなった。平成9年度はカテコラミンの注入実験を行い、運動実験の結果とあわせて、遊離型カテコラミンの抱合化の過程および代謝に及ぼす影響を検討する予定である。
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