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1996 年度 実績報告書

知覚運動制御の空間認知特性に関する大脳半球優位性と脊髄運動細胞興奮性

研究課題

研究課題/領域番号 08680132
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京都立大学

研究代表者

今中 國泰  東京都立大学, 理学部, 教授 (90100891)

研究分担者 船瀬 広三  長崎大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (40173512)
キーワード空間認知 / 大脳半球優位性 / 脊髄運動細胞興奮性 / 注意 / 随伴性陰性変動(CNV) / H反射
研究概要

本研究では、手の位置決め動作における動作空間の認知特性と大脳半球優位性との関連性を明らかにするために、90°頭部回旋法を用い、大脳半球の交叉性神経支配及び交叉性注意機能の相互作用の点からの検討を行い、さらに方法論的観点から、90°頭部回旋法に起因すると考えられる脊髄運動細胞興奮性への影響を検討することを目的としている。
脊髄運動細胞興奮性への反射性の影響については、90°頭部回旋後の時間経過にともなう変化はすでに確認済みであるが、90°頭部回旋中の反射性の影響については未検討であった。本年度は、まずこの点に関して、頭部回旋中の動作をゴニオメータ法でモニターすることにより頭部回旋開始時及び終了時点を同定し、その頭部回旋動作中の時間経過にともなうH反射振幅の変化を5〜10m秒間隔で観察することを試みた。しかし当初の予想に反して、時間経過にともなうH反射振幅の変化については特定の傾向はまったく認められなかった。この原因として、動作開始時及び終了時点の同定がゴニオメータ法では厳密にできなかったことがあげられる。この実験結果を踏まえ、動作開始時点の同定を筋電図法によって行うこととし、本年度3月に改めて実験を行うことを計画している。
空間認知特性の問題に関しては、本年度は、90°頭部回旋による空間認知の歪みが特異的な眼球位置によって影響されている可能性を探るために、位置決め反応エラーと眼球位置の関連性を観察するための実験を計画した。この実験では、通常の位置決め課題と並行して眼球運動測定を実験の中に組み込むため、実験スケジュールの管理から各種データの取り込みまで全てを本年度科学研究費で購入したLabViewソフトウエアによって自動化することを試みている。現在までのところ、従来のBasicによる実験システムからLabViewを用いた実験制御システムへの移植とそれに付随する全体のシステム変更を行っているところである。この実験は次年度に本実験を行う予定である。また、左右半側空間における反応時間課題中の大脳半球注意機能の検討については、これまでに随伴性陰性緩電位変動CNVの左右差を観察する実験を行ってきたが、技術的な問題(反応刺激に電気刺激を用いたこと、刺激提示用に用いたパソコンCRTからの電磁波による脳波測定へのアーチフアクト混入等)のために安定したデータを収集するに至らなかった。これらの問題を克服するために、実験パラダイム及び脳波パラメータとしてCNVだけでなくP300を用いることも検討している。この実験も来年度研究計画の一環として実施する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Imanaka,K.,et al.: "Interference between location and distance information in the reproduction of arm positioning : Early implications and new directions" Advances in Exercise and Sport Physiology. 2. 1-12 (1996)

  • [文献書誌] Imanaka,K.,et al.: "The locus of distance-location interference in movement reproduction : Do we know any more 25 years on ?" In J Piek (Ed.),Motor Control and Human Skill. (in press)

  • [文献書誌] Funase,K.,et al.: "Inhibition of the soleus H-reflex during dorsiflexion is dependent on individual difference in maximal soleus H-reflex as a test reflex" Perceptual and Motor Skills. 82. 403-410 (1996)

  • [文献書誌] Funase,K.,et al.: "Evident difference in the excitability of the motoneuron pool between normal subjects and patients with spasticity assessed by a new method.." Neuroscience Letters. 203. 127-130 (1996)

  • [文献書誌] Funase,K.,et al.: "Soleus MN pool excitability in the resting state affects the anount of reciprocal inhibition during dorsiflexion" Advances in Exercise and Sport Physiology. 2. 65-72 (1996)

  • [文献書誌] Nishihira,Y.,et al.: "Somatosensory evoked potentials following voluntary movement during arm compression" Electromyography and Clinical Neurophysiology. 36. 21-28 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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