本研究は、長野オリンピックにおけるボランティア組織をスポーツ経営学的視点から追究することで、長野オリンピック経営の全体構造の中でボランティア組織の位置づけと役割を明らかにするとともに、生活者としてボランティア活動に参加することが生涯学習(生涯スポーツ)社会における社会参加・人格形成・自己実現とどのような関係にあり、ボランティア活動に参加するスタッフの生活の充実にどのような影響を及ぼすのかを追求することを目的とするものである。 上記目的のうち今年度は、ボランティア活動の意義と生活の充実への影響をボランティア活動の参加者を対象とした調査から実証することが主な目的である。 その目的を遂行するために、昨年度作成された仮説モデルをもとに調査の枠組みを検討し、ボランティア活動に対する期待や生活の充実度の現状、活動内容への希望、社会的属性を主な内容とした長野オリンピック開会前(活動前)の調査(第1次調査)調査票と期待の充足、活動内容・活動期間等に対する希望との一致・不一致および満足度・生活の充実度を主な内容とした長野オリンピック閉会後の調査(第2次調査)調査票を作成した。 平成9年12月に、長野オリンピック組織委員会(NAOC)の協力を得て、NAOCの名簿に搭載されたボランティアのうち無作為に抽出された2000名に対し、長野オリンピック開会前(活動前)の調査(第1次調査)を行った。回収数は1180(回収率:59.0%)であり、このデータは現在のところ入力作業を終了し、集計・分析作業を行っている。 さらに平成10年3月初旬には、長野オリンピック閉会後の調査(第2次調査)を実施したところである。
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