研究概要 |
本研究は、長野オリンピックにおけるボランティア組織をスポーツ経営学的視点から追究することで、長野オリンピック経営の全体構造の中でボランティア組織の位置づけと役割を明らかにするとともに、生活者としてボランティア活動に参加することが生涯学習(生涯スポーツ)社会における社会参加・人格形成・自己実現とどのような関係にあり、ボランティア活動に参加するスタッフの生活の充実にどのような影響を及ぼすのかを追究することを目的とするものであった。 すでに、ボランティア活動前後の2回にわたる調査も昨年度中に完了しており、今年度は集計・分析作業を行い結果を導くことにあった。集計・分析作業から、以下の結果を得ることができた。 1. ボランティアの期待は、応募時の期待と活動直前の期待とでは若干の相違がみられた。 主成分分析の結果、ボランティアの期待は、「社会貢献」,「スポーツイベント」,「生涯学習」,「仲間づくり」,「スタッフ特典」,「自己活用」の6因子に精選することができた。 2. 活動直前の期待は多くの項目で充足されていた。しかし、選手との関係では充足されないものもみられた。 3. 約50%のボランティアは希望の業務に配属されなかった。しかし、行った業務には良い評価を示していた。 4. ボランティアの満足度は高い値を示しており、80%のボランティアが満足を感じていた。 5. 生活の充実に対しては、活動前の評価よりも活動後の評価の方が高い値を示していた。
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