1996年に引き続き、これまで全国の「力石」に関して、北海道から沖縄まで約10000個の情報が蓄積できた。 1997年は、さらに調査範囲を広げ、長野県、福井県、富山県、和歌山県、滋賀県、大阪府、岡山県、東京都などの「力石」をまとめることが出来た。その結果、現在までに報告出来た「力石」の総数は約1900個となった。 これらの調査において、各自治体教育委員会の「力石」に対する認識が深まり多大な協力が得られた。また各地での「力石」保存の動きが活発になりつつある。すなわち「力石」が体育学的および民俗学的な文化遺産として見直される動きが現れてきた。 さらに「力石」を用いての「力持ち(力くらべ)」が行なわれている地域の紹介などから「力石による力持ち」が復活した所も出てきた。 過去には、全国ほとんどの集落で行なわれていた「力石による力持ち」であるが、その存在と意味を知る人々が少なくなりつつある今、早急な調査が必要である。 現在も新しい情報が入手できており、本年度の実績を元にさらに広範囲な調査を続行している。
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