本研究の初年度にあたる今年は、 (1)94年度後期の留学中、ロンドン、バ-ミンガム、マッチ・ベンロック等、英国内各地で収集してきた中世以降、今世紀中葉に至る英米を中心とする陸上競技の膨大な文献から、女性がどの様な位置づけの下で活動してきていたのかについて解読し、各事項のデーター入力を行なって「年表」を作成し、「第2356回立命館土曜講座」(96年8月24日)[テーマ『オリンピックにおける女性(オリンピック参加にむけた女性たちの闘いとその後の女性選手の活躍)』]の中で発表した。 (2)大正末期から昭和初期にかけての、わが国における女子陸上競技黎明期の文献を購入蒐集するとともに、購入不可能な文献については東京・名古屋・鳥取等の諸大学にある蔵書からのコピーを用いて必要諸データーの入力を進めている。 (3)女性が過去「オリンピック競技」のなかでどの様な扱いを受けてきたかについてのJ・ハ-グリーブス女史の文献を翻訳し、「立命館教育科学研究第8号」「同9号」で発表した。 (4)「全国都道府県対抗女史駅伝競走大会」が、1980年以降の日本女子陸上競技中・長距離界の記録にどの様な影響を及ぼしたかについて「立命館文学」に投稿した。(97年5月刊行予定) (5)19世紀末から現在に至る「女子陸上競技」概史を、単著『陸上競技のルーツをさぐる』(96年9月刊行)の第2章として発表した。
|