本研究の第2年年度目にあたる今年は、 (1)94年度後期の英国留学中にロンドン・バ-ミンガム、マッチ・ベンロック等、英国内各地で収集してきた中世以降から今世紀中葉に至る英米を中心とする陸上競技の文献、97年8月にアテネで行なわれた「第5回世界陸上競技選手権大会」を記念して販売された陸上競技のルーツに関する多くの書籍、「ボストン・マラソン100年史」等の資料を用い、女性が陸上競技大会のなかで、どの様な位置づけの下で活動してきていたのかについて解読し、各事項のデーター入力を行なって女性長距離・マラソンに関する「年表」を作成し、「第11回スポーツ史学会」(97年11月29・30日)[テーマ『女子マラソン初期の歴史』]として口頭発表するとともに「第16回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会」(1998年1月11日実施)のプログラムに投稿した。 (2)96年度に続いて大正末期から昭和初期にかけての、わが国における女子陸上競技黎明期の文献を購入蒐集するとともに、英米独仏諸国発行の「女子スポーツ」「女子陸上競技」に関する新刊書籍を購入して、パソコンに必要諸データーの入力作業を進めている。 (3)デジタルカメラ・写真ネガから取り込み装置を購入してすでに収集した2000枚に及ぶ陸上競技に関する写真(内女子陸上競技関係約500枚)をパソコン・CD-ROMに取り込む作業を行なっている。 (4)1895年、世界初の女子陸上競技大会を開催した米国ヴァエサ-・カレッジの42年間に及ぶこの大会史を翻訳し、「立命館教育科学研究第11号」に発表した。[表題『ヴァエサ-・カレッジにおける42年間の陸上競技(1895〜1937)』] (5)「全国都道府県対抗女子駅伝競走大会」が、1980年以降の日本女子陸上競技中・長距離界の戦績・記録にどの様な影響を及ぼしたかに関し「立命館文学No.551号」に投稿した。 (6)「東京女子マラソン」20周年を記念する朝日新聞社の座談会に「女子マラソンの初期の歴史」に関して招待され、発表した。(1998年1月30日) (7)「98京都シティハーフマラソン」(1998年3月8日実施)のプログラムに「超長距離とマラソンの歴史」の表題で投稿した。
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