日本の生産システムは、系列、下請け、関連企業を含んだ企業グループで生産を完結させてきた。しかも系列、下請け企業は、親企業の工場の近隣に立地していたため、情報の交換、物流コストの削減、在庫の圧縮において効果的な地域集積のメリットを享受することができた。しかし、このシステムは、工場の地方分散、高速道路の活用、生産グローバル化、アジア地域の成長、部品の海外調達、物流費の内外価格差、企業の合併によって、転換を余儀なくされている。とくに注目すべきは、グローバルな最適生産を目指した産業配置の再編成と、それを支える新しいロジスティックの採用である。国内のトラック輸送費と外航海運運賃との著しい格差は、地方港、地方空港の国際物流拠点化を促進しつつある。とくに福岡空港と博多港での貨物取扱い量の増大が顕著である。
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