研究課題/領域番号 |
08680175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
堀 信行 東京都立大学, 理学部, 教授 (40087143)
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研究分担者 |
飯島 祥二 岡山商科大学, 商学部, 講師 (80258201)
高岡 貞夫 東京都立大学, 理学部, 助手 (90260786)
岡 秀一 東京都立大学, 理学部, 助教授 (50106605)
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キーワード | 色彩景観 / 緑地 / 植生景観 / 景観生態学 / イメージ |
研究概要 |
今年度は、色彩景観という新しい分野に取り組む初年度にあたった。研究地域は、秋田県の城下町起源の小都市である角館である。まず、研究者相互の共通認識を得ることが重要と考え、夏季(8月)にやむなく都合のつかなかった一名(飯島)を除いた全員(堀、岡、高岡)が、そろって現地調査を行った。色彩景観といった場合、何に注目して論じるか。現在なお研究方法について模索中の部分が多い。 とはいえ、本研究の内容が大きく二つの方向から掘り下げられつつある。第一の方向は、都市景観の色彩に関する計測的研究を進める方向である。この方向の研究は、さらに二つの面から研究を進めている。一つは、町並みの景観の特性を生み出している街路景観について、街路の用途別に施設色彩の特性を計測し、それを都市間で比較してみようという試みである。もう一つは、自然景観と人工景観の時間と距離によって輝度や色度にどのような変化が見られるかという点に注目して、都市間で比較研究をしようという試みである。 第二の方向は、町をあげてのお祭りに注目し、一年間の特別なハレの時に一気に現出する色彩郡を抽出し、各色彩相互の中に読み取れる社会的、文化的コードの文脈を引き出そうという方向である。とくに角館の9月上旬に行われる祭りによせる住民の熱気は格別なものがある。この祭りには、ヤマと呼ばれる山車が各町内から出て町を練り回る。このときヤマとヤマとの出合によって、日頃の社会的な関係が出る。また、角館の周りの山や草木を模したヤマの飾り付けに、角館の自然景観が、色彩とともに象徴的に表現され、住民の記憶に強く焼き付けられていることが、聴き取りからも推察された。 以上のような視点から、色彩景観の研究は進めて行けると考えられる。次年度に予定している萩の研究を行う研究上の方向を本年度は得ることができた。
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