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1997 年度 研究成果報告書概要

緑地をめぐる景観論の新展開:色彩景観の社会的イメージ

研究課題

研究課題/領域番号 08680175
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 人文地理学
研究機関東京都立大学

研究代表者

堀 信行  東京都立大学, 理学研究科, 教授 (40087143)

研究分担者 飯島 祥二  岡山商科大学, 商学部, 講師 (80258201)
高岡 貞夫  東京都立大学, 理学研究科, 助手 (90260786)
岡 秀一  東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (50106605)
研究期間 (年度) 1996 – 1997
キーワード色彩景観 / 緑地 / 植生景観 / 角館 / 萩
研究概要

色彩景観研究に取り組むに当たり、城下町起源の東西の小都市である角館と萩を対象地域に選び、平成8年度には角館、平成9年度には角館と萩の両者について現地調査を実施した。
研究は大きく二つの方向で進められた。第一の方向は都市景観の色彩に関する計測的研究で、街路景観を構成する施設色彩の特性の都市間比較および自然・人工景観における輝度や色度の特性の都市間比較を試みた。当初、研究対象地域の植生の色彩がその地域の色彩景観との間に何らかの相互関係が存在するのではないかと考えたが、色彩景観として街路景観やビルの外壁など施設色彩に注目して分析を行った結果、現在のところ角館と萩の両者を比較しても、この作業仮説を積極的に支持する成果は得られていない。
第二の方向は色彩民俗学的視点を取り入れた研究で、お祭りや絵図の中に現出する色彩群に社会的・文化的コードの文脈を読み取り、それを自然景観や記憶色との関係から分析した。角館の9月上旬に行われる祭りには、ヤマと呼ばれる山車が各町内から出て町を練り回る。山の象徴である山車は、きわめて濃い濃紺の布で覆われ、それに春の象徴としての桜、秋の象徴としての紅葉したモミジが飾り付けられている。さらに山の象徴に杉の樹も使われ、季節の推移に連動して山と里の間を出入りする神のイメージが植生の色彩を通して表現されている。これらの分析から、色彩景観として住民が互いに共有する記憶色といえる象徴的な色彩が意識され、それぞれが祭りの山車に表現されていることが分かった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 堀 信行: "「八俣の遠呂智」孝-神話の風景から自然観を読む" 季刊文化遺産. 3巻. 34-36 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 高岡貞夫: "景観のパターンをどのように読むか." 国際景観生態学会日本支部会報. 4巻. 23-25 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 堀 信行: "論文標題:風土の三角形 -生きられる「場所」の誕生 福井勝義編『環境の人類誌』" 岩波書店(分担), 79-106 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 岡 秀一: "論文標題:「気候景観」は再生する 長谷川裕彦編『日本における地生態学研究の現状と課題』" 日本地理学会地生態学研究グループ(分担), 56-59 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Hori, N.: "Ancient cosmology inferred from a Japanese folktale." Bunkaisan. No.3. 34-36 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Takaoka, S.: "Pattern and processes in mountain geoecosystems." Bull.Int.Assoc.Landscape Ecology-Japan. 4. 23-25 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Hori, N.: The triangle of the nature, culture and society. In Fukui, K.et., The Anthropography of the Environments. Iwanami, Tokyo, 79-106 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Oka, S.: Climatic landscape approach should survive. In Hasegawa, H.ed., Recent Progress of Geoecoogical Studies in Japan. Working Group of Geoecology, Chiba, 56-59 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-12-08  

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