本研究では国内外で取り組みが始められている環境保全型地域づくりを生涯学習の視点に立った環境教育として位置づけることをとおして、社会各層や各セクターがパートナーシップをベースとした環境保全型社会を構築するための指針を提示することを試みた。また、併せて、これからの環境教育のあり方である「持続可能な未来をめざす教育」について、国内外の動向を踏まえて提言した。具体的には下記のような項目にわたっている。 1.国連機関をはじめとする国際機関による最新の環境教育の取り組み及び、欧米を中心とする環境教育の最新動向を踏まえて、従来の狭義の意味としての「環境教育」から、環境の概念に開発や人口、平和、人権といつた諸課題をも含むより広義な意味としての環境教育、すなわち「持続可能な未来をめざす教育」を明示した。 2.国内外で取り組まれている持続可能な地域づくりをめざす取り組みである、グラウンドワークやエコミュージアム、エコツーリズム、ゼロエミッションなどについて環境教育の視点からの分析を行った。 3.学校を持続可能な地域づくりの拠点として扱う際のハード(循環施設、生物の多様性施設)とソフト(種々のパートナーシップ)について検討を行い、事例を踏まえてモデル提示を行った。
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