平成9年度は、研究目的及び実施計画に従って、北海道、東北地域で自然史(動植物中心)の展示を行っている主な博物館について、およそ次のような実地調査とその内容に関する研究を行った。 1.実施調査をした博物館 当初に計画していた11館のうち、これまでに北海道開拓記念館、釧路市立博物館等9館の展示等について実地調査を行った。なお、館種による展示内容の特色を広くとらえるために、岩手県立博物館、盛岡市子ども科学館の代わりに秋田県立農業科学館の展示等を調査した。また、斉藤報恩会自然史博物館については、引き続き調査を行う予定である。 2.調査方法とその内容 実地調査は、博物館から提供される資料では、展示法の詳細や展示における資料の取り上げ方が明らかでない場合が多いので、調査内容の正確を期すために、展示のテーマ或いは項目ごとに、展示資料の名称と展示法の概略の書取り調査と、展示の概況、資料の位置関係、解説内容等の資料として写真撮影を行った。このため実地調査に予想以上の時間を必要とし、実施計画を若干変更せざるを得なかった。更に展示、教育活動に関する出版物等の収集も行った。 3.調査資料の整理と研究 前年度とほぼ同様に、まず本研究の基礎資料とするために、実地調査で得た写真と書取り調査した資料の整理を行うとともに、これらを参考に各博物館の展示について、展示テーマごとに展示法、解説方法、展示資料の種類と名称等を学生の協力(謝金支出)を得てパソコンに入力し展示内容の一覧表の作成を行った。また、その内容について科学教育の視点から展示の意図(目的)、展示の教育的構成とその内容等の解析も行った。あわせて、既存のソフトを準備し、これらの資料のデータベース化と参考用の写真の取り込み等の方法についての検討も行った。 4.今後の計画 実地調査とその結果の整理、ならびにデータベース化の検討等の作業は、現在も進行中で、平成10年度の実地調査計画の実施と平行して継続して行うように計画している。
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