研究概要 |
一般ダイバーから魚類の水中写真を収集するため,伊豆半島沿岸に点在するショップや雑誌社主催のイベント会場で,神奈川県立生命の星・地球博物館の「魚類写真資料データベース」を紹介したパンフレットと,登録の際の詳細な方法を記載したちらしの配布を行った。ダイバーへの配布を依頼したショップは31店で,それぞれ100部ずつ配布した。また,データベースを紹介する講演を当館の他,静岡県伊東市,和歌山県串本町,小笠原諸島父島,伊豆大島等で行った。さらに,ダイバー向けの雑誌でデータベースの仕組みを紹介する記事を数回にわたり掲載した。当該年度に収集された写真資料は約4600点で,そのうち約1800点は相模湾に臨む熱海沿岸(静岡県熱海市)で撮影されたものである。この結果,現在までに収集された写真は累計で約18000点に達した。当該年度は熱海で撮影された写真に基づき,同地の魚類目録を作成,公表した。この目録には,20目83科267種および若干の未同定種が収録されている。これらの中には相模湾から初記録となるジンベエザメ(テンジクザメ科)やスジアラ(ハタ科),同湾では1955年の原記載以来,2例目の記録となるキラキラハゼ(ハゼ科)などが含まれている他,多数の北限記録になる種も含まれる。科別の種類数ではハゼ科とベラ科が上位を占め,昨年度行った大瀬崎と同様な結果が得られた。この目録作成のために写真を提供したダイバーは15名であった。
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