研究概要 |
本研究の当初の目的どおり、1.自作比色計を用いたパソコン計測による環境調査教材の開発、2.小・中学校から高校までの各発達段階に応じた開発教材による環境教育の実践と評価、以上の2点において研究したので報告する。 1.自作比色計を用いた環境調査教材の開発 小・中・高校の環境教育において用いる環境調査用教材として、自作比色計によるパソコン計測システムの開発を行った。開発したシステムにより、大気中の二酸化窒素、酸性雨のpH、水質中のCOD・亜硝酸イオン・リン酸イオン等の定量分析の教材化を実現した。この教材では、分光光度計や比色計の高度なデータ解析をコンピュータが自動処理するため、小学生でも汚染物質の濃度測定が簡単に行えるようになった。 2.小・中学校から高校までの各発達段階に応じた開発教材による環境教育の実践や評価 開発教材を用いて,二酸化窒素の測定による校区の大気汚染マップづくりや、学校近くを流れる河川のCOD調査等、大阪府内の多数の小・中・高校において環境調査の授業を実践した。これらの体験活動及び参加型の授業を通して、児童・生徒の環境と環境保全に対する意識の変容について分析を試みた。その結果、環境調査の活動により、環境への関心が高まるなど、いくつかの知見が得られた。これらは、研究報告冊子にまとめている。 なお、本研究成果の一部は、平成8・9年度の日本理科教育学会全国大会、日本科学教育学会等の教育学会でも報告した。
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