研究概要 |
本年度では,ヒトの内部空間の構成過程を調べることを目的とした内部空間計測装置の開発を行った。 半径1.5m,幅5cmの半円状の板に円の中心から10度間隔でスピーカと発光ダイオードを19個配列したものを3つ製作した.これらを50cm間隔で上下に配置した.これまで被験者の眼球位置における水平面内のみでの計測であったが,上下方向幅1m内で3列の視聴覚刺激装置を木製支柱に取り付けた.57個(19×3)の視聴覚刺激はパソコン(Gateway社製)で制御される.また,本年度の備品費で購入した平衡機能計(NEC三栄社製)の出力を取り込むプログラムを作製した.視聴覚刺激制御信号及び平衡機能計出力取り込みプログラムはLav Viewを用いて作製した. 国立特殊教育総合研究所での学習障害児に関するシンポジウムに参加し,学習障害児の運動系の計測の研究が少なく早急に研究を遂行する必要性を感じた.また,我々の研究室を訪問した米国での学習障害児教育の専門家であるT. S. Hasselbring教授(Vanderbilt Univ.)及びM. M. Behrmann教授(George Mason Univ.)との研究打ち合わせから,学習障害児における言語による空間指示と運動との関連は未知の分野であり,実験のプロトコール作製には学習障害児の専門家を交えて行うことにした.
|