研究概要 |
今年度の研究成果は以下に示す通りである。 1.インターネットを利用した教育支援システムを提案するため,次の3点からの検討: (a)学習者における情報の検索・獲得・評価・選択・理解,および学習者の評価という学習アルゴリズムを基にした,インターネットを利用した教育システムの検討. (b)学習者における法認識と論理観の視点からの意識調査と授業カリキュラムの作成その実践. (c)安全性の認識という視点から,学習者・授業者・システムのそれぞれを対象とした,ネットワークセキュリティの教科についての検討 2.インターネットにおける法認識と論理観に関する意識調査と授業構成の検討: (a)ネットワーク初心者である大学初年度の学生に対して,ネットワーク社会における法認識と論理観に関する意識調査を行った. (b)学生を文系と理系に分けて意識調査をすることで,双方の意識の比較を行った. (c)(a),(b)の結果に基づいて,ユーザID/パスワード管理,セキュリティ,電子メール利用時のマナー,インターネット上の著作権などの各内容の授業カリキュラムを作成し,大学1年次の「情報科学概論」で実践し有効性を確認した. 3.インターネットの教育学部利用におけるネマットワークセキュリティの検討: (a)インターネットを利用した学習システムに関する基礎的な研究を行った.教育の分野においてはまだほとんど論じられていない「ネットワークセキュリティ」についても検討し,この重要性を示した。 (b)インターネットセキュリティを加味した学習システムを提案し,同システムの中核的モジュールである.「自動採点・返却システム」や,「テストシステム」を含んだ学習システムをWebブラウザ上に実現した. (c)本システムを東京学芸大学教育学部教育情報科学科の一年生を対象として開設された「情報科学概論」及び「プログラミング演習第一」において,実際に利用しその効果と有効性を確認した。
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