研究課題/領域番号 |
08680225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
中村 直人 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (20201676)
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研究分担者 |
松居 辰則 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (20247232)
横山 節雄 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20090532)
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キーワード | 情報教育 / カリキュラム / 課題研究 / 情報数理 |
研究概要 |
今年度は、情報技術における数学的な背景を確認する作業を中心に行い、次年度に向け以下の教材を検討した。 (1)波動と情報処理 数理的課題:3角関数、情報量 3角関数の合成について音を用いた体験、デジタルサンプリングによる音階や音声の特徴の考察。高校数学では合成は範囲内であるが、フーリエ変換による周波数成分を求めることが現行では範囲外。 (2)CGと情報処理 数理的課題:1次変換とベクトル、曲線と曲面の幾何学 3次元座標の2次元への射影、空間図形の回転、曲線による近似。3次元座標による図形の扱いは現行でも可能であるが、曲線や曲面の接線、接面などが課題である。 (3)ネットワーク 数理的課題:グラフ表現 隣接行列によるグラフ表現、グラフの探索、最短距離を求める。数学Cの行列の範囲内で扱える。 (4)符号と暗号 数理的課題:集合論、確率と場合の数、整数論 符号化による数え上げ、誤り訂正、シーザー暗号、公開鍵暗号のシミュレート。剰余類による整数の分類とその代数的な思考に課題がある。 これらの課題について高等学校で扱うための現行数学カリキュラムとの接続性については、理論的な証明ではなく具体的な体験を行うことで学習することし、その実践として大学初年次の学生にそのようなアプローチで授業を行うことを試行した。得られた知見としては、体験によるアプローチは可能であること、手続き的な技法については了解がえられるものの根拠については曖昧であるという課題が示された。
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