研究概要 |
平成9年度の研究の内容は以下のとおりである. (1)高等学校における数理的課題の授業実践 現在,高等学校段階の情報教育の内容として,重要視されているモデリング能力について考察するため,以下の内容について研究協力者により授業を行った. ・音と周期関数・ベクトルとCG その成果としては,自然現象をモデル化して捉え,そのモデル上で予測などを行うことができたことやシミュレーションツールによる体験が主体的な学習を促進することがわかった.しかしながらそのような授業展開のためには教員の情報科学に対する能力・資質の向上とコンピュータツールの完備が課題であることが明らかになった. (2)コンピュータ領域における大学入試問題の分析 コンピュータ領域の数学の大学入試問題を分析することにより,数字とコンピュータ領域のクロスする分野についてどのような認識がなされているのかを分析した.結果としては,対象となる数学分野の計算モデルの思考力を問うものが多いいことがわかった.その結果,数学に限定しているため自然現象を含む広い意味でのモデルを思考させるものではなく,総合的な学習と新たな「情報」科目の重要性が了解された. (3)情報分野における数理的課題の教員養成の検討 (2),(3)からその教員養成についての問題を検討した。 (4)数理的課題を扱うための教材の流通についての検討 (1)からシミュレーションツールなどの教材の流通について考察し,米国でのEOEデータベースを移植し,サーバ機を持たないような学校を含めた分散データベースの構築を検討した.
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