研究概要 |
1.これまでの調査結果及び先行研究の分析整理を行い、小学校、中学校、高等学校を見通して育成したい情報能力の達成目標の枠組みとして、情報知識・情報概念、情報メディア操作技術、情報態度・習慣の3領域を設定し、それぞれについて、各学校種における段階的・系統的具体的内容(試案)を策定した。 2.構成主義学習観に立ち、地域に焦点を当てた体験的情報探索活動を基盤とし、情報への欲求の醸成、情報の探索・収集・選択・加工処理・創造生成・蓄積・発表・伝達・交流までの一連の情報活動を盛り込んだ情報能力の育成プログラムを開発し、実験的に試行した。 (1)体験活動を盛り込んだ情報活動を中核にすえた小学校における情報教育プログラム(試案)を作成し、2年生生活科における1年間の長期単元において試行した結果、学習者の情報に対する前向きな態度が形成され,また,情報メディア活用技能が向上した。 (2)小学校4年生を対象として、体験的な情報探索活動に基づく、情報の受け手を意識したマルチメディア表現活動を行わせた。そして、学習の事前と事後において,情報に対する意欲調査,内発的動機づけ,イメージマップテスト、メディアに対する先有知覚調査を行い,合わせて児童の制作した作品を評価した。その結果、マルチメディア作品の情報表現力・情報伝達力が向上し、学習内容の構造的把握が促進され、さらに体験的活動及びマルチメディア活動に対する意識が向上した。また、情報の受け手を意識しながらの内省的な学習が成立していることが判明した。
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