研究概要 |
重力について思考するためのウィンドウとして,次の4つを開発した。 1 言語表現ウィンドウ 2 数式ウィンドウ 3 グラフウィンドウ 4 アニメーションウィンドウ(学習者に動的なイメージを持たせるために追加したウィンドウ) Windows95上でVisual Basicにより実行システムを作成した。実行システムは,フロッピ-ディスクを用いて簡単にインストール/アンインストールが可能であること,および,十分な速度で動作することが確認された。 高校生にとってソフトの操作は容易であること,一連の学習課題と連携ウィンドウが思考を促し,知識が関連づけられている様子が観察された。ウィンドウの種類と機能に改善すべき点は見られなかった。しかし,学習課題に関しては,学習者個々の理解に対応した,複数の課題が必要であることが示唆された。 学習課題とシステムとを切り離して作成したことにより,システムは純然たるツールとして完成した。これにより,学習者のためのツールであるのみならず,教師が学習者に説明する場合にも使用できるツールとなった。 数学への応用を検討した。2次関数について,式,グラフ,および,パラメータ,の3つのウィンドウから操作でき,3ウィンドウが連携して動作するウィンドウシステムを開発した。これにより,相異なる表現(グラフ,言語,など)を別々のウィンドウに表示し,連携動作させる型の学習ソフトウェアが,重力概念(運動方程式)の学習に限らず,知識を生成する学習活動(本研究では,物理と数学)に対して開発可能であることが示された。 上記の研究結果はソフトウェア同梱の報告書として配布されるとともに,インターネットにより公開される。
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