研究概要 |
我々は,認知マップを利用した合意形成目的のグループウエアシステムの開発を行なっている.このシステムを合意形成型グループウエアシステムと命名している.合意形成型グループウエアシステムにおいては,お互いの概念や考えを具象化した認知マップの相違点を明らかにして,その相違点をいかに整合させるかが重要な課題となる.すなわち個人個人が描いた認知マップ間の相違点を明らかにして,調整をはかり合意を形成する戦略を構築しなければならない.ところで,合意形成を進める手がかりや順序などの戦略を決定するためには,2つの認知マップの中での二項順序関係の違いを優先順位をつけて抽出し,合意形成をはかるための二項関係の変容を求めなければならない.そこで,本年度は2つの認知マップのそれぞれの二項関係の差異量を定量化し,類似度と差異量との関係を明らかにした.第1ステップとして認知マップ間の類似性を定量化した類似度と関係づけされた二項要素間の認知マップ上での重要度を考察した.続いて,第2ステップとして認知マップ間の類似度と関係づけされた二項要素間の認知マップ上での重要性の差異を表す差異度との関係を論じた.またこれらの研究成果を論文にまとめた.
|