主に日本人学習者を対象に、英語の動作や状態を表す語彙について、デジタル化した動画と音声を利用して効果的に表現し、データベース化してマルチメディア型英語教材開発の素材とすることを目指した。今年度は、次の2点をすすめた。 (1)動画によって効果的に表現される語彙の選定と分類。 (2)映像の撮影とデジタル化。 動画辞書で対象とすべき語彙を、Oxford Picture Dictionaryなどを参考にしながら独自に選定した。基礎語彙を広く浅く選定するというよりは、たとえば「引く」動作について考えうるさまざまな語彙を対比させられるように選定することにした。また、日常の場面を撮影し、そこに現れるさまざまな動作を英語母語話者に語彙として表現させることで語彙リストを作成することも試みた。 これらの語彙の映像表現について、人間が正面胸像または立位全身像で発音しながら表現することを基本に、物の状態表現などについても、出来るだけ人間がそれを手に持って発音しながら提示するようにして撮影した。撮影にあたっては、中部大語学センター所属の英語を母語とする教員数名の協力を得た。 撮影した映像をデジタル化して蓄積しつつある。各々の動画は200KB〜2MB程度の大きさである。これは順次中部大学語学センターのFTPサーバー(ftp://langue.hyper.chubu.ac.jp/pub/)で公開する。 次年度はさらに語彙の追加、映像のデジタル化・データベース化を進めるとともに、動画辞書を利用するためのユーザーインターフェース、つまり学習者側から見た辞書本体を開発する。試作品の開発段階ではMacintoshコンピュータで動作するHyper Cardを利用し、利用実験を日本人英語学習者を被験者として実施する。利用環境についての開発が一段落した時点で、同種の環境をWWWで実現し、データおよび教材の公開をする。
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