1)本研究では表計算で開発された教育シミュレーションにおいて、学習者の学習の補助機能、指導者の補助機能の枠組みを設計するとともに、具体的な教育シミュレーションを学習者、指導者、実践の環境条件を考慮して開発し、学習者の活動を補助する機能を付加し実践した。その実践データはまだ解析にとりかかったばかりであるが、学習者の問題解決に向かう思考パターンの変化を想像させる興味ある振る舞いをしており、今後精力的に分析をしていく予定である。開発した学習補助機能を付加した表計算型教育シミュレーションは、プロダクトシミュレーション、生涯設計CAD、献立設計演習CADである。これらの研究成果の一部(3件)は学会雑誌等や学会の口頭発表として公表した。 2)システムの開発に用いた表計算の仕様は、MAC-OS、DOS-V、95、NTで少しづつ異なっており、シミュレーションを実機で動作させてチェック・調整しなくてはならないことがわかった。 3)教育シミュレーションを教育に生かすためには、ネットワークを活用することは当然であるが、学習者の学習補助機能にも負けないぐらい指導者の負担を軽減する指導者補助機能が必要であることがわかった。このことは教育の中心は指導者、学習の中心は学習者であることは周知の事実であることからも知られる。しかし対象の条件(年齢、知識、・・・)によって有効となる機能が違うとも考えられ、実践を積み上げて明らかにしなくてはならない。
|