研究概要 |
教育用アレアトリ-・フォーム生成システムに関する基本プログラム開発を行った.ここでは,まず,複雑系の解析・表現手法として近年注目されているセル・オートマトン,カオス,フラクタルなどの手法について,各手法の種々プロセスにおいて選択的に決定できる数学的パラメータを精査・類別化し,パラメータの定義域,値域などを規定した.また,偶然性を導入する場合に適用する確率関数,選択確率などを規定した.これらの規定に基づくプログラム開発の具体例として,セル・オートマトンの2状態3近傍の256ルール,2状態5近傍総和型の64ルール,2状態5近傍の43億ルールをプログラム化した.このとき,状態遷移関数の初期値や各プロセスで必要とされる値の決定プロセスに偶然性を導入するためランダム関数を組み込んだ.また,遷移途中からルールを次々に乗り換えることができるような乗り換えプログラムを作成した. 次に,フラクタル図形の主な手法である,ジュリア集合,マンデルブロ-集合,ヒルベルト曲線,ペアノ曲線,シェルピンスキー曲線,コッホ曲線などの再帰図形,空間充填曲線を関数形式にプログラムした. 同様に,カオスについては,回転状カオス,網目状カオス,円環状カオス,強制系カオスなどのような面積保存型,および面積変化型円環状カオス,翼状カオス,チョ-サとゴルビツキ-の対称型カオス,ロ-レツの離散型カオスなどを関数形式にプログラムした. 上記のように関数形式に個別にプログラムされた部品を組み合わせるメイン・プログラムを構築し全体として偶然性に支配されるプロセスが実現できるか?計算機実験を行い,アレアトリ-・フォームが生成されることを確認した.
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