研究概要 |
電気磁気学を学ぶ上で非常に重要な基礎概念である「電界」「電位」理解支援に関して研究を行っている.これらの概念は,直接目で見えるわけでなく,抽象的で仲々理解しにくい.これらの理解支援を「情報の可視化」という切り口で研究を行っている. そのための基礎研究として,1)対象を記述する知識・概念の知識表現 2)対象を記述する知識・概念の可視化 3)概念理解のための発見誘導学習の仕掛け が,重要である. 本年度は,2)に重点を置いて,次の3つのサブテーマa)〜c)について研究を行った. 静電場の定性的な理解を支援するため典型的な場の電位,電界の可視化を行った. 可視化は、対象をクロ的に捉えたり,ミクロ的に捉えたり,別の切り口で捉えたり,変化の様を捉えたりすることに留意した. a)「電界の強さ(ベクトル量)」を「矢印」や「川の流れ」に例えて3次元で表現し、任意の位置、角度で捉えられる情報の可視化 b)「電位(スカラー量)」を「色」や「山の高さ」に例えて3次元で表現し、任意のの位置、角度で捉えられる情報の可視化 c)1〜3個の正、負の電荷を整数比で配置した場合の「電界の強さ」、「電位」の可視化を試み、「概念理解」のための認知実験. 以上より、「概念理解支援のための情報の可視化」の基盤はほぼ出来上った. 今後の課題は 1)静電場の定性的な理解を支援するため異なる概念「電位」および「電界」の関係の理解支援のための情報の可視化.2)昨年度の研究成果「オブジェクト指向論理型言語CESPによる概念の知識表現」と本年度の成果「可視化された情報」を融合した知識ベースの作成.3)「学習者の認知モデル」の検討と「発見的学習へ誘導するための可視化情報の提示方法」の検討.である.
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