概念形成および種々の知識の再認識の支援に、情報の可視化が利用される。 電気磁気学を学ぶ上で非常に重要な基礎概念である「電界」、「電位」は、直接目に見えるわけでなく、抽象的で仲々理解しにくい。本研究では、これらの概念の理解を支援するための知識ベースの作成と「電界」、「電位」の可視化を行った。 諸概念・知識は各々が独立して存在するものでなく、ある関係で結ばれている。また、「理解」は、個々の具体的事例から一般的な理解へと進む「帰納的な理解」と、抽象的なおぼろげな理解から個々の事例を通して、より深い理解へと進む「演繹的な理解」があると考えられる。従って、知識表現をフレーム形式で、階層的に表現し、学習者の理解に応じて、学習者モデルに反映させる構成にした。 これらの概念の定性的な理解を支援するために、1〜3個の正または負のある整数比をもつ電荷を対称的に配置した各々の場合の電界および電位をソフトウェアツールAVSにより可視化した。電界は、ベクトル量に応じた矢印や指力線で、電位は、大きさに応じたカラーマップで出力し、学習者は注視点を変えることにより、その場をマクロ的にもミクロ的にも捉える事ができる。 今後の主たる課題は、 1.認知実験に基づいた知識表現と学習者モデルの構築 2.1.の結果を踏まえた情報の可視化 3.1.の結果を踏まえた可視化された情報の提示方法の検討 である。
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