気象情報を利用し、身辺な大気環境の理解を図るために、地域気象に関するデータを集め、教材を作成した。天気の変化や四季の天気の特徴を把握できるように、静止気象衛星「ひまわり」画像、天気図、気温・気圧・降水量などの気象要素データを収集した。また、地域の大気現象に関するものとして、四季の雲や雪の結晶などの写真を撮影・収集した。気象衛星「ひまわり」画像1年分のCD-ROM画像集を制作した。日本付近の赤外画像は3時間毎、日本付近の可視画像は毎日12時(日本時間)のものを用い、1月から6月分と7月から12月分の2枚のCD-ROMに収めた(それぞれ、約640メガバイト)。また、全球画像を6時間毎に1年分収めたものも制作した。画像の表示やアニメーションなどを行うことができ、低気圧の動き、台風の一生、大陸と海洋の温度分布、また雲の動きから偏西風・偏東風など地球を取り巻く空気の流れが直感的に理解できるようになった。これを中学校理科の授業で実際に活用した。寒冷前線の通過と天気の変化に関する学習で、情報を選択し、処理・加工しながら、学習活動を展開する形態で進めた。生徒は意欲的に取り組んだが、学習を進めることができない2群の生徒も存在した。課題解決の方針が立てられない生徒と他の生徒が行う作業を模倣しているだけの生徒である。前者は問題解決に当たることができる能力は備わっており、同種の実践の積み重ねを必要とした。後者は基礎的な知識が十分に定着していない生徒であった。
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