国ではなく「広域(世界史教育では文化圏)」を基盤とする世界史教育の内容構成の再編と世界史胸囲宇久と日本史教育の相互連関を「ネットワーク論」という理論的枠組みと海域世界を重視することにより明らかにしようとして、理論的には「ネットワーク論」の情報化とグローバル・ヒストリーとの関連、具体的には16世紀の東アジア海域世界の変遷を取り上げて、所謂西洋史、東洋史、日本史の統一的把握のための研究を中国の密貿易ネットワークの変遷、ポルトガル・スペインの東アジア海域進出を軸に行った。その結果、以下のような諸事項で一定の研究成果があがった。 1.高等学校「世界史」の内容構成原理「ネットワーク論」の精緻化 2.「ネットワーク論」を基盤に据えた東アジア海域世界の再評価と日本史教育のパラダイムの再検討 3.人類史の転換期となる諸事象についての考察 4.21世紀の社会変化に耐え得るグローバル・ヒストリーと「世界史」の関連。グローバル教育の一部をなす歴史教育の在り方 5.明朝の勘合貿易体制の衰退と密貿易の興隆を軸に据えた、16世紀東アジア海域ネットワークの変遷 6.16世紀東アジア海域ネットワークの変遷とヨーロッパ諸勢力の進出との関連 7.戦後の日本における中学校歴史教科書・高等学校「世界史」・「日本史」教科書の内容構成の変遷 8.アジア諸国の歴史教科書における「16世紀海域世界」に関する記述の比較・検討を通じての歴史教育の現状把握
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