研究概要 |
平成8・9年度の研究により教育実習生住の誤り訂正行動分析から様々な対処方法の類型とその実態が明らかになったが、各対処方法の「効果」は必ずしも明らかではない。そこでChaudron(1986)が用した"uptake"の指標(誤り訂正の成功率:訂正直後に生徒が正しい答えを言った割合)により分析を試みた。この指標は、習得の度合いを直接的に示すものではないが、学習者の目や耳に入る"input"が"intake"として記憶に定着・内在化されるまでの中途段階における一定の進歩を示唆するものと考えられ、誤り対処方法の効果を推し量るための一つの指標になると考えられる。 まず全ての誤り対処方法を総合すると、44.5%のuptake率であることが分かった。この数値はChaudron(1986)の研究結果(39%)と近似しており、教師の誤り対対処は相対的に見ると4割程度の成功率があることが示唆される。次に各対処方法別に見ると以下の対処方法がuptakeが高いことが分かった。 ●正答提示の対処方法 Gives Information 100% Gives Part of Correct Answers 81.8% Gives Correct Answers(Explicit) 51.6% ●自己訂正を促す対処方法 Gives Indirect Answers 93.8% Repetition with Rising Intonation 92.9% Repetition of Questions 80% 今後は、以上のような対処方法の長期的肋果を実験的こ検証する必要がある。 参考文献:Chaudron ,C.1986 Teachers′priorities in correcting learning errors in French immersion classes. in Day,R.ed,1986.Talking to Learn.Newbury House.
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