戦後50年に及ぶ教科外活動の教育課程化(curricularization)の経緯には、(1)教科外活動の機能的な捉え方から領域概念への変化、(2)教科学習との相互還流的な関係から、分断的な関係への変化、(3)児童生徒主体の活動と学校主導の活動との2系列化、(4)内容の細分化などの特質を認めることが出来る。また、授業時間に関しては、ほぼ安定した時数を確保するに至っている。その結果、戦前までは、極めて曖昧で、マイナ-な位置に置かれてきた教科外活動の指導の分野は、今日では、教科及び道徳とともに、学校の教育課程を構成する重要な1領域として、人間形成を図る上で、独自の役割を果たしている。 しかし、その反面、かつての「自由研究」や「日常生活課程」、ホームルームやアッセンブリー、学級集団づくりや新聞づくりなどの実践に見られた生き生きとした活動が見られなくなり、教科外活動の形骸化やマンネリ化が言われるようになって、久しい。教育課程化の過程で大きな問題として取り上げられた(1)教科外活動の機能的な捉え方、(2)教科学習との相互還流的な運営の仕方、(3)自主・自治か指導か、という2系列的な捉え方の克服、(4)統合的・総合的な在り方、(5)教科外活動の内容と活動形態を混同する事の克服などの課題を今という時点で見直してみる必要がある。 なお、この研究で収集した文献・資料を日本特別活動学会編集の「特別活動用語辞典」の資料編で掲載するとともに、戦後の教科外活動の課程化の中で生まれてきた様々な用語を上記の「事典」で取り上げる準備をしてる。
|