本研究は、近年関心の高まっている環境教育について、社会科教育の立場から、その基礎的文献を整理し、なかでも、社会科教育の分野として期待されている環境倫理の視点形成を、どのように教科内容に位置づけたらよいかを考えるための、基礎的作業を行うところに目的がある。 本年度(平成9年度)は、昨年度に引き続き、環境教育についての著書論文の収集および環境倫理学を中心とした、環境思想に関わる文献の収集・整理を行った。 今年度は約60冊の図書を購入し、数十の雑誌論文を収集した。 昨年度と同様、環境思想に関わる文献については、学問的な方法の観点から法律学・政治学・経済学・社会学・地理学・歴史学(考古学を含む)・哲学(倫理学を含む)の分野に分類し、それぞれの分野での環境問題の捉え方、考えられている対処方などに関する学問的達成の状況を整理した。 環境教育に関わる文献については、理念的な環境教育論に類するものの比較検討、および具体的な実践記録の分類・整理を続けた。
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