研究概要 |
今年度の研究実績は、次の通りである。 (1)「コミュニケーション過程における問いの生成」,全国数学教育学会第5回研究発表会発表 (2)「数学的コミュニケーション能力の育成(V)」,第51回関東都県算数数学教育研究静岡(三島)大会発表 (3)「数学学習におけるコンテクストの役割と生成」,日本数学教育学会第29回数学教育論文発表会論文集(pp.373-378) (4)「算数科授業での発話におけるコンテクストの設定」,第21回近畿数学教育学会例会発表 (5)「数学科での協同学習の意義とあり方に関する一考察」、日本数学教育学会誌、第79巻・第3号 上記の論文のうち、(2)と(4)は,数学的コミュニケーション能力の育成をめざして,「考えの伝達や討議などの交流ができる」ということの検討を行ったものである。埼玉大学教育学部附属小学校での算数科授業をもとに,そこにおける教師と子供たちの発話におけるコンテクスト設定の特徴を探っている。そこでは,発話にあたって,コンテクストをどのように選びとり,また,設定するかということが,コミュニケーションの場におけるリテラシィを形成すると考えた。(1)の論文は,埼玉県内の公立小学校での算数科授業をもとに,教師と子供たちとのコミュニケーションの場から,どのようにして問いが生成されるかを,発話者のタンテクストに着目しながら検討した。(3)の論文は,埼玉大学教育学部附属中学校での数学科授業をもとに,特に授業直後の子供たちの感想文の分析を通して,多様なコンテクストの生成の実態を明らかにし,分析したものである。論文(5)では,コミュニケーションの場の形成,また,その場におけるリテラシィを明らかにし,それらをどのように育成するかを,埼玉県内公立中学校での数学科授業をもとに論じたものである。
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