今年度の研究実績は次の通りである。 (1) 「数学的な表現力をカリキュラム化するにあたっての項目の設定について」、 日本化学教育学会研究会研究報告、第12巻、第4号 (2) 「算数授業を形成するコミュニケーションの様相」、 日本数学教育学会第31回数学教育論文発表会、発表論文集 上記の論文のうち、(1)においては、総合的なカリキュラムを考えるにあたっての視点の一つである方法的な能力の強調という面から、数学的な表現力について、その内容をカリキュラム化し、指導を明確化するための項目について検討した。そこでは、表現様式の活用の違い、思考過程の表現の仕方という項目を設定して検討したが、さらに、考えを述べるにあたっての構成の仕方、他者をどう説得するかという視点が想定されることが分かった。 (2)の論文においては、算数授業においてコミュニケーション活動がすすめられているときに、その教室にはひとつのコミュニケーション空間が形成されていることに着目した。そして、このようなコミュニケーション空間の構築のためになされている2つのタイプの話し:「学習活動への参加の仕方」と「意見を言うことについての大切なこと」があることを明らかにした。
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