表や図からパターンを見つけて式を作り、その式を一般化することを指導目標とする場合の効率的な指導計画を開発することを目的とした授業研究を行った。小学校4年生3クラス107人を対象にクラスごとに指導内容や指導時間を変えて授業を3時間ないし4時間行った。 授業後の事後テストの分析結果は次の通りであった。 1) 授業で式のよみを重視し、図からパターンを見つけて式を作り一般化する指導を行えば、一般化可能な式が与えられた時の一般化問題の成績はよい。しかし、多くの子どもが自発的に簡単な問題場面で一般化可能な式を作ることができない。 2) 表を作り変化の様子に目を付けて問題を解く指導は1つの教材でそのねらいは達成できる。 以上の結果は、子どもが自ら簡単な場面で一般化可能な式を作ることと式をよむことは、一般化する力を育てる上で大切であることを示唆する。 また、4年、5年、6年生を対象とした調査研究を実施し、調べている場面の項数が小さいことが一般化を困難としているのか、適用する問題解決場面の項数が小さいことが一般化を困難にしているのかを調べた。その結果、いずれの学年も調べている場面の項数が小さいことが一般化を困難にしていることが示された。このことは、子どもの一般化概念の制約を意味している。
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