本研究は、児童・生徒が積極的な福祉観・高齢者観を深めることのできる問題解決型学習を核にしたカリキュラムと教材を開発することを目的としている。本年は3年計画の第2年次として、中・高校での福祉学習に関する授業研究を行い、次の成果を得た。 1.家庭科における福祉学習の視点を導入することについて、中・高校の家庭科教師と授業を通した共同研究を行う態勢ができた。 2.家庭科で育成する力について、生活を自立して営む力、生活を主体的に営む力、ともに生きる力、世代・男女・障碍の有無に拘らず平等な関係を築く力の4つの視点を設定し、福祉に関する学習を計画・分析した。 3.高齢者・福祉の学習に関しては、単なる知識の教授ではなく自ら課題に対し学習活動を行ったことにより、自分と関わらせた評価を学習者が行うことができ、主体的な学びを成立させることができた。 4.他者理解やノーマライゼーションについて中・高校生としての捉え方が明かになった。
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