研究概要 |
本研究は、色彩がもつ表現上の意味を明らかにするために、就学前幼児の描画での色使用の実態調査とその分析により、幼児における描画特性をとらえることにある。また、本調査研究の大きな特徴は、聞き取りや調査紙記述による色嗜好調査が一般的であるに対し、実際に使用する描画材のパスを直接かつ定期的に測定したデータを分析しているところにある。パスを電子天秤で定期的に測定して得たデータをコンピュータ処理することは、1990年より継続してきた。そうした測定・データ分析の繰り返しで得た数は次のようである。 これまでの調査対象は、幼稚園の学級数にし12クラス。人数で、3歳児のべ337人。4歳児のべ606人。5歳児のべ471人。なお、平成8年度調査対象児は、3歳児55人。4歳児150人。5歳児90人。 現在の大きな研究課題の「使用色頻度Predominant Use Color(略してP.U.C.)測定法」の研究開発は、色使用の、年齢別、男女別の規準値(norm)を設定のため、母数を少しでも大きくするために先に示したように調査を継続している。一方で、本調査専用ソフト作成中である。現在、試作第2をほぼ完成の段階にある。 1、平成8年度(今年度)の研究計画に基づく実施状況 (1),データ分析とプレゼンテーションは、表計算ソフトWingzl.2に新たにWingz Liteを加えグラフ化の機能を高めた。個人データについては、同様にHyperCard2.3へのバ-ジョンアップで視覚性をたかめて研究資料としての効率化を試みている。 (2),カラースライドフィルムによる児童の描画作品を、Nikon FilmScannerLS-1000とCanon Color Laser Shot(いずれも本補助金で購入)を用いて画像入力し、測定分析資料と並列して示すことができることによって、研究資料としてのプレゼンテーション機能を高めることができた。
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