研究概要 |
本年度の研究目的は、1.コミュニカティブな言語テスト[コミュニカティブテスト、CTと略、CTはスピーキング(Sと略)、ライティング(Wと略)、リーディング(Rと略)、リスニング(Lと略)の4種類]の分析的評価、総合評価をすること、2.CTの評定者内信頼性、及び、評定者間信頼性を調べること、3.CTの分析的評価と総合評価の相関を調べること、4、個別テスト[基準テスト(CRTと略)]と総合テスト[書取(DICTと略)、クローズ(CLZと略)の2種類]の相関を調べることであった。平成9年度の3月末までに、上述の合計7種類のテストを、3つの国立・公立中学校3年生計461名に実施し、369名のデータ(Sは106名)をまとめた。高校2年生については、県立高校6校274名に実施し、238名のデータ(Sは90名)をまとめた。同年3月末までに、CT及びCLZについて、中学、高校において、それぞれ、アンケート調査を被験者の中の100名程度、また、Sを1名、ビデオで記録した。Rについては1名think aloudを音声テープに記録した。 分析にあたり、CTの妥当性[(1)内容妥当性、(2)構成概念妥当性、(3)併存的妥当性]は高い、CTの信頼性は高い、CTと総合テスト(DICT.CLZ)の相関は高い等、13の仮説を立てた。分析の結果、中学校3年生について、CRTとの併存的妥当性は、S、Wはかなりあり、R、Lは、高いこと、評定者内信頼性について、Sの総合的評価は高いこと、Wはかなりあること、R、Lは高いこと、評定者間信頼性について、Sは、総合的・分析的評価、伝統的評価いずれも低いこと、Wも同じであること、R,Lは比較的高いこと、CLZとの相関について、Sは低く、W、R,Lは高いこと等が分かった。高校2年生についてもほぼ同様な傾向が出た。
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