研究課題/領域番号 |
08680290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
岡部 毅 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (00105339)
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研究分担者 |
佐藤 哲也 兵庫教育大学, 学校教育学部, 講師 (10273814)
横川 和章 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50174850)
名須川 知子 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50144621)
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キーワード | 幼児 / 表現行動 / 身体性 / 空間 / 意志 |
研究概要 |
本研究は、幼児の表現行動について、身体を基盤とした特性を明らかにすることを目的としている。昨年度は:遊び場面における2才前後の幼児と母親の関係に着目し、物を介した場面での身体、顔の方向性が、子どもの意志をあらわしている、という仮説を検証した。それに引き続き、今年度は、子ども同志の関係が身体によって、どのように現れているのか、身体の向き合う時、すなわち幼児同志の身体による空間構成及び身体の動き方に着目して、そこでの意志のあらわれについて検討した。方法は、男児2名について、3才6ケ月〜4才8ケ月の間、17回、4台のVTRによって収録したもののうち7回を抽出し、分析した。2人の幼児の向き合っている(正対している)場面は159場面であった。それは、積み木、ミニカ-、ミニチュアの動物、ブロック等の物を介している場面が139場面(87%)を占め、物を介して「とる、見せる、並べる」等の行為によるものが17場面であった。空間形成に伴う身体の働きは、(1)接近,(2)会話等の行為、(3)維持に分けることができ、身体の正対によって、より親密性が高まるようなものであったが、反対に、喧嘩や拒否の場面のように、空間の緊張と遮断も見られた。又、向かい合う身体の動きは、(1)全身で守る、(2)全身で止める(3)身体で直接かかわるといったもので、以上のことから「身体が向かい合う」ことに幼児の意志が反映されていることが明らかとなったと言える。
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