研究課題/領域番号 |
08680290
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
名須川 知子 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50144621)
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研究分担者 |
佐藤 哲也 兵庫教育大学, 学校教育学部, 講師 (10273814)
横川 和章 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50174850)
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キーワード | 身体の縦軸 / 幼児の表現行動 / 遊び / 上下運動 |
研究概要 |
今年度の研究では、身体の縦軸というベクトルを導入して、幼児の表現行動を分析した。そして上下運動に表れた内面性の問題にまで考察を深めていった。研究方法は次の通りである。 2名の幼児とその母親たちに、遊戯室で自由に遊んでもらい、その様子を4台のビデオカメラで録画をした。そこから観察記録を作成し、身体が上下に運動をしている場面を抽出した。その上で、様々な活動が生起する脈略についても記述し、上下運動の頻度をカウントしていった。こうして作成された基礎資料に基づいて、それぞれ幼児教育学、幼児心理学、保育内容学を専攻する研究者がカンファレンスを開き、幼児の表現性・活動性の指標として身体の上下運動が示唆するもの、あるいはそうした表現行動の人間学的意味について考察していった。 その結果、自由遊びのなかで見られる幼児の上下運動には、次のようなものが見いだされた。〈制止状態:(1)立ち続ける(2)座り続ける、(3)突っ伏す〉〈運動を伴う動作:(4)座る、(5)立ち上がる、(6)飛び上がる、(7)上下する、(8)登る、(9)降りる〉〈物を介する動作:(10)拾い上げる、(11)高く掲げる、(12)置く、(13)積み上げる、(14)叩き付ける、(15)投げる〉 幼児の「上下する身体」が、見る者に与える〈躍動感〉〈高揚感〉の源泉には、幼児の身体から発せられるメッセージが存在することが明らかになった。その上で、「上下する身体」が、幼児の活動性・自己充実を表出するひとつの指標となり得ることを確認することができた。
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