研究課題/領域番号 |
08680290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
名須川 知子 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50144621)
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研究分担者 |
佐藤 哲也 兵庫教育大学, 学校教育学部, 講師 (10273814)
横川 和章 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50174850)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 幼児 / 表現行動 / 身体性 / 内面 / 空間 / 上下運動 / 方向性 |
研究概要 |
幼見の身体が内的な意志を包含しているという仮説に立ち、身体の方向性について、母親との関係を基点とした考察、また幼児同志の向き合う身体の空間の共有、さらに幼児自身の上下する身体の観点から、身体の動きにおける内的な意志の働きがあることを明らかにしようとした。 まず、遊びの中で、幼児が遊具を介して母親とのかかわりを求める場面について考察した。その結果、遊びの中での、幼児の母親に対する身体の方向性は、幼児がどの程度強く母親とのかかわりを求めているか、さらにはその時点での母親との遊びの空間の共有がどの程度なされているかといったことが大きく反映されていることが推察された。次に、幼児同志の身体による空間構成及び身体の動き方に着目して、そこでの意志のあらわれについて検討した。その結果、空間形成へ伴う意志の働きについて、接近、会話等の行為、維持等の親密性が高まるものの反面、喧嘩や拒否の場面のように、空間の緊張と遮断も見られた。幼児は相手と全身で向かい、そこに内面的な意志が働いていることがわかった。また、幼児の身体の上下運動が示唆するものについて考察した。その結果、幼児の遊びの中での身体の上下運動は、制止状態、上下を伴う動作、物を介する動作に分けることが出来た。上下する身体は、見る者に活動性、躍動感、高揚感を与え、こうした印象が生起する要因として、「上下する身体」が幼児の内面を直接の反映した表現行動であることが挙げられよう。以上、幼児の表現行動における身体性について、内的な意志が関連していることが推察された。このことは、幼児の身体は、内的な現れを示すものとして身体があることを示唆していると言えよう。
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