平成10年度に行った研究によって得られた成果は、以下のようになる。 1. 平成9年度までに開発した高等学校化学の教材を、(1)化学や化学授業に対する生徒の興味・関心を促すものであるか、(2)内容相互の文脈が重視されているか、(3)生徒の活動の多様化が図られているか、という視点から再度検討し、必要なところを修正した。 2. 修正した化学教材をもとに、次のような授業の指導計画を立てた。 実施時期:1998年11月 実施対象:高等学校3年次生 指導目標:(1)合成高分子化合物の基本的な概念や原理・法則を理解させる。 (2)合成高分子化合物の開発、発展、及び普及を理解させることにより、科学・技術・社会の相互関連に気づかせ、省資源消費・省廃棄物社会において求められる態度を育成する。 学習内容、指導過程、及び指導方法などについても細部にわたり計画した。 3. 研究協力校(広島大学附属福山中・高等学校、広島県立祇園北高等学校)において、開発した化学教材を用いて授業を行った。研究分担者は授業観察を継続的に行い、教師の教育活動と生徒の学習活動を記録した。 4. 開発した化学教材の有効性を評価するために、(1)指導目標の達成度、(2)化学授業に対する生徒の意識や態度の変容、について調べる調査問題を作成し、実施した。 5. 3年間の研究成果を報告書にまとめた。
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