1.先行研究の追加と整理 昨年に引き統き、英語教育及び応用言語学の分野で、英語学習者の英語ライティング、特に大学における学術的な英語のライティングに関して、論文、本、博士論文、辞典などを追加検索とカードの整理を行い、最近の研究について理解を深めた。 2.学生の英語ライティング分析と教材の作成 本年度は、昨年度の研究をさらに発展させ、日本人大学生と英語母語話者の大学生による英語のエッセイを集め、それらの特徴と誤りの研究を行った。 まず、昨年度と同様、国際基督教大学英語プログラムで英語を学んでいる大学生と同大学日本語プログラムで学ぶ母語話者が書いたエッセイを収集し、分析のためにコンピュータ入力作業を進めた。日本人のライティングの特徴的なストラテジー、誤り、曖味な表現を、文のレベル(語彙のレベルと文法統語のレベル)とエッセイ全体レベルの2つに大きく分けて、各々更に細かく設定した項目に分類を試みた。母語話者のエッセイも同様に分析し、語彙、構成、社会文化背景の側面から日本人学習者と英語母語話者のライティングの分析を行った。日本人大学生と英語母語話者の類似点、相違点を明らかにするべく研究を進めた。 また、データに基づいて教材を作り、英語ライティングにおいて日本人に共通する誤り、実際に使用するのが困難な語法や論理の立て方に関する教材の改訂を行った。 3.学会における研究発表 3月米国ワシントン州シアトルで開催されたTESOL(Teachers of English to Speakers of Other Languages)の大会で“Acontrastive study of persuasive academic writing"のタイトルで研究発表を行った。欧米や日本の研究者からは大きな関心が寄せられ、貴重な意見交換を行うことができた。
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