昨年度、行った実験について、音響分析を行った。 まず、VT法における身体リズム運動を伴った英語発話と身体リズム運動を伴っていない英語発話を収集した。それを英語母語話者に聞かせ、その英語らしさを判定させた。その結果、身体リズム運動を伴った英語発話には英語らしさが高いものが多く、身体リズム運動は英語発音に効果がある可能性があることがわかった。しかし、身体リズム運動を伴った英語発話には英語らしさが高くないものもあった。 そこで、身体リズム運動を英語発音教育において、より効果的にするために、以下のように実験を行った。 1.身体リズム運動を伴った英語発話を英語らしさが高いものと低いものに分類した。 2.それぞれを音響分析し、英語らしさに貢献するものが何であるかを調べた。 3.その結果、以下のことがわかった。 ● Inter-Stress Interval(ISI)が一定であるものは英語らしさが高い。 ● 逆に、ISIが一定でなく、各syllableを一定のdurationで発話しているものは英語らしさが低い。 ● また、stressの部分については、引き伸ばしが大きすぎたり、pitchの上昇の度合いが大きすぎる発話も英語母語話者のモデル発話と逸脱しており、英語らしさが低いと判定されていた。 4.来年度は、上の結果に基づき、身体リズム運動をどのように英語教育の教育のカリキュラムに採り入れたらよいかを考えていきたい。
|