本研究課題では、まず、英語専攻の学生に身体リズム運動を伴って発話した。英文と身体運動を伴わずに発話した英文とを収集し、その「英語らしさ」を英語母国語話者に評価させた。その結果、身体リズム運動は「英語らしさ」を向上させること、すなわち、英語音声教育の方法として有効な選択肢であることが示された。ただし、身体運動を導入することで発話速度が低下するなどのデメリットも示唆された。また、英語らしさの高い発話文と低い発話分の音響分析の結果から、stress(強勢)間の間隔(Inter-Stress Interval:ISI)が一定であることが「英語らしさ」に貢献することが示唆された。さらに、われわれは、マルチメディア型CALL(Computer Assisted Language learnig)システムの開発に際して、ISIをコントロール可能な速読プログラムを開発した。通常の英文テキストの読み方に比べて、ISIをコントロールできるフレーズ読みによる音声情報の提示は、学習者の語学力に大きな貢献を及ぼすことが示された。
|